2024. 4. 29 permalink
久しぶりに、川内さん宅を訪ねる。「映画の会」 本日は、デレク・ジャーマン監督「カラヴァッジョ」1989年イギリス映画
カラバッジョは、いつくかの代表的な絵を画面で知っていたが、その38歳の生涯の悪行については、あまりよく知らず、作品の品位とのギャップを知りたいと期待して出向いた。映画は、そういう事実関係の描写とはまるで裏腹に、カラバッジョの人生を絡めながらも、非常にアーティスティックにデフォルメされたストーリーだった。そのことがわかっていないのは、自分だけなのかもと思って、一生懸命に時系列などを頭で整理するも、実は皆、この監督の作意に翻弄されていたことがわかり、しばし安堵。
さて、舞台がローマだったということで、川内夫妻のイタメシタイムとなる。赤ワインも並ぶ。この、映画の中の土地の感覚をサンサンと浴びたのちに、その土地の食べ物をいただくという流れが、なんとも、楽しみなのである。擬似的に旅行して食べ歩いている感じになる。お皿の数は10サラに近づこうかという、贅沢。いつもながら、脱帽の味と、段取り力。
ふと設えに目を見やると、こんなにかっこいい空間を設計したかな、という絵になる1シーンと、キッチン周りの道具に満ち溢れた、まさにモノを作っている場の臨場感とが並列している。我のものならずの感覚に陥る。10年が過ぎれば、空間はもう住み手のものである。