2011. 4. 17 permalink ユビを折って数えると、ちょうど8年前の今頃にオープンしていた。テナントビルを建てて、その店子さんの美容室を施した。鉄骨造に土や漆喰や木や紙を用いての内装ということで、メンテナンスの時期がやってくる。定例の照明障子張り替えに加えて、漆喰の部分補修やカウンターの削りだし、木部や床の塗り足し等、完成以来初めて触るメンテ内容を含んでいた。ふすま屋、左官屋、塗装屋という三業種にまたがるが、一つ一つは小さい工事、これを専門職で行うと費用が倍増するということで、この日事務所はにわか改装業者になった。 博多駅にほど近い一等地での開店、短命な商業空間の世界の中で、立派にお店が育っている。美容業界となると、私には立ち入る隙間がないが、時々に手入れを行いながら、美しく歳を経る空間として「育てる」お手伝いをしているのだと考えると、メンテナンスそのものが愉しくなってくる。8年経ったパイン材の床に亜麻仁油を塗ってみる。新材では決して出てこない、飴色が出現した。
2006. 7. 31 permalink 2年ぶりにカメラを持ってこの建築を見に行った。なにか、竣工当時よりも活き活きしていると感じた。設計当時考えていた、「建築はそんなに変わることはできないけど、植栽で茂るテラスの様子は季節を通して変化する」は思いの外実現されているようだった。店舗であるとはいいつつも、よく理解し、気配りしてもらっている2人の施主(1+2Fと3F)さんに感謝。