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学会誌から寄稿依頼があり、その掲載図版を撮影するために、宿の再訪。この日は、北海道から、隣町から、事務所のWEBサイト編集者や写真家などが集まり、宿を愉しんだ。引き渡しからちょうど3年経過して、建物は、只でさえ、変化し続け、増殖し続けているが、さらなる、改良改善に向けて、相談を受けた。
幸運にも写真家が、ドローンを所持していて、撮ってもらった。すると背景の黒髪山連山を取り込んだ敷地全体像が浮かび上がる。なんというか、建物や住人はもちろんであるが、そういう別なく、人間の営みが相対化される景色であった。相対化とは、その言葉自身は、ポジティブでもネガティブでもないはずだが、人間の営みがちっぽけである、という単純な諦めよりは、そういったより大きなものに、営みが包容されているかのように、感じた。（とても天気が良い一日であったからというのもあるが。）

高岡さんの料理は、相変わらず、美味い。食レポに陥るのは避けたいが、やはり、宿という、飲食店よりも一歩、空間としては世界観の完結した場所での、この味。場所と味覚のセットによるココロの充足は少なからずである。

雑誌「brutus」にタイマーの宿掲載

brutus 5/15日号「居住空間学2020」に、タイマーの宿が掲載されていました。ご時世的に、いかに家の中で愉しく暮らすか、というくくりの中で、高岡さん夫婦の、深い未来性が篭められたアンプラグドな生活が、やはり異彩を放っていました

男3人で宿泊

10日より、旧西有田町にある弊社設計の「Timerの宿」へ。
男三人、 ひと時の休息をいただいてまいりました。
電気やガスはもとより、スマホの類いに支えられた現代の暮らしから離れ、自然と共生した衣食住に触れる事のできる「時の宿」で、現代っ子代表のような筆者（新入）は自身の人間力のなさを痛感しております。
（宿の詳細等は、弊社HPや「Timerの宿」のHPをご覧いただければ幸いです。）
薪で沸かす露天風呂にはいり、薪で調理された野菜料理を味わい、夜は月明かりとオイルランプで過ごし、朝は太陽の光で起床といった具合に、自然を通して心身と向き合えた1日でした。
職住近接のこの宿では、宿を営む家族の皆さま（御施主さま）の暮らしがすぐそばにあります。建築家が設計する「他所とは変わった家」が、子どもたちの原風景となるのだなと実感し、 時を経て大人になった時、どんな家と暮らしを求めるのだろうと想像してしまいます。
弱冠25歳までハーモニカ型のマンションで育った若輩者も、また明日から色々な意味での自立に向けて精進しようと思います。
それにしても、最高に秋晴れでした。

版築ワーショップ第6日

最終日は計10人が参加。地元からの参加を中心におしゃべりしながら作業していらっしゃいました。本日のベスト版築二ストは一番しんどい上から2段目を長身を折りたたみながら黙々と仕事してくれた20歳男性。おかげで計4面仕上がりました。
鏝で抑えたような滑らかになったり、休憩前に力尽きてうまく固まっていなかったり…。担当する人とそのときの気持ちで版築は表情を変えます。2時間で15センチくらいしか仕上がらない、大変な作業なのに、みなさん黙々と没頭していました。体力的にもキツイのに、頭が空っぽになってリフレッシュできた、との感想もありました。
参加してくださった延べ70人のみなさんありがとうございました！ ワーショップは終了しましたが、版築作業はもうしばらく続きます。

版築ワーショップ第5日

本日は計7人が参加。有田町のご家族が総出で参加してくれました。斜め材が入る難しい場所でしたが、小学生の女の子2人が土団子を作って、お兄ちゃんがそれを突き固める。見事なチームワークで、ちょっと後回しにしていた部分を仕上げてくれました。 しかも午後の部まで延長してもらって大助かりでした！もちろん本日のベスト版築二ストです！！！

版築ワーショップ第4日

1日休んだ後の今日は計7人が参加。型枠の位置が高くなり、徐々に作業が難しくなるなか、素晴らしい集中力をみせてもらいました。本日のベスト版築二ストは佐賀市から参加の女性。丁寧な性格が伝わってきます。実は大学の先輩であることが分かり、馴染みのイタリアンの話でもりあがりました。午後は壁の最上部仕上げに手間取り夕方まで作業しました！

版築ワーショップ第3日

今日は遠方からの謎の旅人一行を含め計14人が参加。本日のベスト版築二ストは武雄から参加の菓子職人ご一家。ミルフィーユのような甘い模様に仕上がりました！ 雨足が酷くなる前に撤収完了。明日は休み。5/3からラスト3日間！

版築ワーショップ第2日

今日の参加者は16人でした。本日のベスト版築二ストはつち作りを手伝ってくれた若き土堀チームの2人です！

版築ワーショップ第1日 計18人に参加してもらい地道に土を突きかためてもらいました。型枠を外した瞬間の、みなさんが驚く顔が素敵。本日のベスト版築二ストは鳥栖から参加されたご夫婦でした！

土の家を作ろう!!!@TIMERの宿
版築ワーショップ 4/29-5/1　5/3-5
==有田陶器市同時開催中==
第1部 10:00-13:00 第2部 12:30-15:30

参加費2000円（TIMER CALIFORNIA KITCHENの昼飯付）
※小学生は500円引、未就学児童 無料、定員各回15人 、予約優先

　佐賀・有田町に新しく出来る「TIMERの宿」は、極力電気に頼らない実験的な生活と野菜のおいしさを極限まで引き出す料理を体験できる宿です。その外壁を土を突き固める「版築」で作ります。ちょうど有田陶器市のタイミングなので器を楽しむついでに、土の家づくりを体験しませんか。

※汚れても大丈夫な服装、靴をご用意下さい!!!

版築…型枠に土を入れてひたすら突き固めて作る「土の壁」です。日本では古来より塀や基礎として利用されてきました。今回は斜面に立つ建物外壁のほとんどを版築で作ります。土は敷地のものをそのまま利用。元々、みかん山だったからか、落ち着いたオレンジ色の土です。単純な作業（土をつめて、棒で押し込むだけ!!）なので小さいお子さんでも大丈夫です。

TIMERの宿…　全国にもファンが多い、佐賀市で最もチャレンジングだった料理店「TIMER CALIFORNIA KITCHEN」の高岡盛志郎シェフ一家の新たな挑戦は”宿”。陶器の街・有田の少し外れにある元みかん山で、野菜中心の薪料理と電気を極力使わない生活を楽しめる、1日1組限定の体験型宿泊施設です。2018年6月オープン予定。https://timer-no-yado.weebly.com/

非公開ワークショップ

４月の７・８日に、非公開のワークショップを行いました。
珍しく非公開となった理由は、まずは施主さまへの指南の場であること、そして、
左官工事の壁塗り／たたき土間／版築壁の３種盛り合わせを、さわりだけでも同日中に行おうという荒業であり、
定員オーバー即ち主催側のキャパオーバー、
という不測の事態を避けるためでもあります。
弊社からは７日のみの参戦となりましたが、せめて撮影したいくつかの写真だけでも、
公開させていただきます。
今回は左官職人の田崎さまを講師に迎え、施主さま、ご友人の方々と共に、
未完成な部分を補完していく、その第一歩を愉しみながら踏み出すことができました。

ガルバリウム鋼板丸小波の屋根が、ほんのり青空に染まる気持ちのよい晴天の中、
断熱材も施工され、内外ともに現場があたたかくなって参りました。
不陸が心配された軒先も、板金屋さんによる釘打ちのあとは、切っ先がまっっすぐ揃っています。
竣工まで残り一月、ワークショップまで、残り一月です。

本日、快晴の冬空の下、無事に建て方工事を迎えることができました。
零下の日々が続き、積雪も心配されましたが、まずはひと安心です。
斜面地に沿って勾配をもつ切り妻屋根としたことで、柱から上の構造体は、ほぞ穴や継手のすべてが、機械を通さない大工による手刻み加工となりました。
土台以外のすべてが県産杉材による、太い部材ということも相まって、とても迫力のある現場となっています。

農業に育まれた旧西有田町のとある斜面地にて、地鎮祭の儀が執り行われました。事務所としても初めての、雄大な斜面に四苦八苦しながら、御施主さまによる文明に頼らない生活を目指す、人間の生きる力を見直すようなプロジェクトになります。
祝詞中に低頭をしていると、すでに色鮮やかな小さなクモが、私の足伝いに糸を巡らせていました。虫達にとって、そこにあるものは自然そのものでしかない様子で、どうもお邪魔しますというような気持ちになりました。
とても気持ちの良い晴天の冬の風に乗って、クモはどこかへ引っ越していったようです。